登記している法人の住所で不正利用されないようにするためには、審査を厳正に行っているバーチャルオフィスと契約する必要があります。
インターネットで「バーチャルオフィス 違法」と検索いてみると、実に多くの関連情報がヒットします。バーチャルオフィスは比較的新しいビジネスモデルであるため、登場して間もない頃は住所貸しを利用した詐欺なども多くありました。近年では減少しているものの、詐欺がなくなったわけではありません。
バーチャルオフィスで一番大切なことは、利用者が安心して事業を行える環境であるかどうかです。もし、犯罪に関するバーチャルオフィスを選んでしまうと、健全に利用している利用者にまで悪いイメージがついてしまうということになります。
バーチャルオフィスを選ぶときは、法人登記ができ、不正利用をいかに排除するかに真剣に取り組んでいるバーチャルオフィスを選ぶことをおすすめいたします。
では、どのようなところに注意して企業選びを行なっていけば良いのでしょうか?
企業選びの際に注意するポイントや気をつけることについて今回まとめてみました。
ぜひ、参考にしてみてください。
バーチャルオフィスとは?
そもそもバーチャルオフィスとはどのようなオフィスなのでしょうか?
バーチャルオフィスというのは、言葉の通り、仮想(=バーチャル)の事務所(=オフィス)で基本的なサービスとして下記の特徴を持ち合わせています。
事業上の住所を利用する
インターネットやクラウドサービスなど技術の発達により、働き方は大きく変わり始め、今や会社に行って働くという必要性が薄れてきている方々がいます。そのような人たに向けて、バーチャルオフィスが利用されるようになってきました。仕事をする場所としては自宅だったり、クライアント先であったりするため、仕事をするためのスペースの利用ニーズはあまりないというビジネスの方が増えてきているのです。
しかし、事業を行う上で、住所は法人・個人事業主ともに依然として重要な意味を持っています。その様な方のために住所をお貸しし、仮装のオフィスを提供するのがバーチャルオフィスのサービスになります。
バーチャルオフィスの主なサービス
バーチャルオフィスの機能は理解できたと思います。しかし、事業場の住所を登記するだけではありません。では、バーチャルオフィスではどのようなサービスを受けることができるのでしょうか。バーチャルオフィスの主な機能を見て行ってみましょう。
郵便物の受け取り転送
事業を始めれば必ず郵送物が届くようになります。その住所宛に届く郵便物をバーチャルオフィスが受け取りを行ってくれることがほとんどです。ただし、受け取れないものを規定しているものもあります。(本人限定郵便・食品など)何を受け取ってくれて、何が受け取れないのかはしっかりと確認しましょう。
また受け取った郵送物をどのように処理してくれるかはバーチャルオフィスによってバラバラですので、特にチェックが必要です。
郵便物チェックリスト
・そもそも転送はしてくれるのか?
・転送してもらえる頻度はどのくらいなのか?
・金額は無料か?有料か?有料の場合、郵送料は含まれているのか?別途必要になるのか?
・直接取りに行くことができるのか?
郵便物は会社にとって必要不可欠なものを取り扱うこともあり、受け取り後の処理を事前に確認しておくことが非常に重要です。勝手に転送してくれるだろうと高を括らず、事前の確認をしておくことが非常に大切です。
電話番号やFAXの利用が可能
電話やFAXも事業においては、郵便物ほどではないですが、とても重要になってきます。特に固定電話の電話番号の有無はクライアントに与えるイメージが違ってきます。そのため多くのバーチャルオフィスは「電話転送サービス」「電話秘書代行サービス」「FAX転送サービス」を提供しています。
こちらも郵便物転送サービスと同様に、運営会社によって様々なプランがありますので、確認が必要です。
電話代行サービスチェックリスト
・通話にかかる必要な費用は?
・転送は自動転送か?オペレーターによる転送か?
・電話秘書代行サービスの場合、オペレーターの対応はどのような物か?
・オペレーターが対応する時にはいくらチャージされるのか?
・番号は自分で持ち込めるのか?退会時に番号を持って出ることができるのか?
会議室の利用が可能(有料・無料)
オンラインで会議を行うことがほとんどの場合や、相手先にいくので会議室などの打ち合わせスペースは必要ないというケースもありますが、対面でのミーティングができる会議室が必要になる業種は多くあります。そういった場合に登録しているバーチャルオフィスで会議室が使えるかという点も非常に重要です。現在では、多くのバーチャルオフィスが会議室を備えています。
クライアントと初めて会う場所としてバーチャルオフィスの会議室を使う時には、会議室の利用方法や備品などについてしっかりと確認をする必要があります。
会議室チェックリスト
・そもそも利用できる会議室があるのか?有料か無料か?
・会議室の大きさは適当であるか?
・備品(プロジェクター等)は準備してあるか?借りられる場合、有料か?無料か?
・男女1対1でも安心してミーティングが行えるオープンな空間か?
・予約でいっぱいで使いたい時に借りられない状況ではないか?
・相手がすぐにわかるような場所か?
デスクなどは基本利用不可(条件付きで利用可能)
バーチャルオフィスは、基本的に物理的なスペースはいらないという方を対象にしたサービスになります。そのため。デスクなど物理スペースが必要な物は基本的に利用できません。しかし、デスクなどを用意しているバーチャルオフィスも存在します。気分を変えて仕事がしたい、いつもの自宅とは違うところで仕事をしたいという方はデスクの一時的な利用などのサービスを提供しているところを選ぶことをオススメします。
つまりバーチャルオフィスは、会社としての機能面は多く必要とするけど、作業スペースだけは唯一不要という方に向けての最適なサービスとなっております。コスト面においても、オフィスの賃料は当然ながら、事務所の広さがコストに大きく関わってきます。作業するスペースが必要のない方にとっては、事務所を設けるコストを大幅にカットできるようになります。起業する際にかかるオフィスコストを、バーチャルオフィスを利用することによって下げることで、より多くの方に起業していただけるようにする。バーチャルオフィスは、社会的に重要な役割を担うサービスと言えます。
バーチャルオフィスでみられるその他サービス(企業によって大きく異なる)
バーチャルオフィスは、近年現れた新しいサービスです。そのため、バーチャルオフィスでは様々なサービスを独自に提供しています。運営企業によっては、求めているサービスを提供していないこともあります。検討しているバーチャルオフィスがどのようなサービスを提供しているか?自分が望んでいるサービスは何なのか。他のサイトを見ることで気がつく自分に必要なサービスも存在するかもしれません。自分にとって必要なサービスが提供しているかはチェックしておく必要があるでしょう。
法人登記代行
バーチャルオフィスは、起業する時に必要な法人登記を目的に利用する方が多いです。自社のバーチャルオフィス住所で登記をしたいという方に向けて、法人登記を代わりに行ってくれるところがあります。一度自社のバーチャルオフィスで住所登記をするとしばらくは継続して同じ住所でサービスを利用することが多いため、そこから利益を得られるためです。このように、設立のために必要な手続きのサポートを格安の手数料で行ってくれるバーチャルオフィスもあります。
会計サービス
会社の経理を代行して担ってくれるサービスです。特に一人で起業する方にとっては、経理に回す時間がなく、少しでも事業に時間を使いたいと時間を大切にされている方がほとんどだと思います。お金を直接生み出すものではなく、専門的な知識を必要とする会計周りの業務を一括して請け負ってくれるのは、起業する方にとって、とてもありがたいサービスです。バーチャルオフィスと連携する税理士がおり、その税理士と顧問契約を結ぶ形を取るのがほとんどのケースです。このサービスを利用する起業家が成長し、大きくなってくれれば顧問料も増えるということを担当する税理士は見越して行なっています。そのため、最初の金額はリーズナブルに設定してあることが多く、自身の業務に集中して取り組むことができるようにしてもらうサービスになっております。
補助金・融資・助成金のサポート
こちらもバーチャルオフィスと連携する税理士や社会保険労務士、中小企業診断士といった専門家が対応してくれるサービスになります。バーチャルオフィスは、世間的の認知がまだ浸透しきっていない分、バーチャルオフィスを利用していることをどのように表現するかで、手続きがうまくいくかいかないかを左右することがあります。そのため、専門とする士業の方に申請を任せることで金額的コストは必要としますが、スムーズな手続きを行えるため、時間的コストを削減することにつながります。
WEB制作サポート
インターネットが普及した現代において、起業時にWEBがあることで信用や言葉だけでは伝わらないイメージの共有につながるため、WEBを用意したいという方のために提供されているサービスになります。
メンター制度
バーチャルオフィスとは少し離れますが、普段オフィスに訪れる人が多いコワーキングスペースなどでよく見られるサービスです。投資先の相手にコワーキングスペースを利用させ、メンタリングを行いながら成長を促進させるという形で行うサービスです。
バーチャルオフィスで法人登記をするメリット
わざわざバーチャルオフィスなど借りなくても自宅の住所を利用すればいいんじゃないの?家出できる仕事なのになんでバーチャルオフィスなんて普段は行かないところにオフィスを構える必要があるの?
そんなことを考えられている方も少なくはないのではないでしょうか?
しかし、バーチャルオフィスを利用しないことで起こる危険な事例なども存在します。
法人登記を行うと、本社の住所が一般公開されることになります。
自宅を登記場所にした場合は、ご自宅が世界中に公開されることになります。
インターネットが発達した現代において、ご自宅の住所を公開すると様々なトラブルが起こることも想定されます。
例えば、女性起業家の方が自宅を公開することにより、変質者に住所を知られ、ストーカー被害や嫌がらせ行為を受けるかもしれません。また、自宅を公開しているがために逃げ場がなく、不安を感じる日々を過ごすことになるかもしれません。
しかし、起業したばかりの頃は、事業が軌道に乗るまでは資金が少ないため、事業所を構える余裕がなく、仕方がなく自宅を登記して起業しなければいけなかった起業家の方もいらっしゃるのではないでしょうか。
上記のような悩みを解消するオフィスサービスとして、バーチャルオフィスの活用があります。とてもおすすめで、たくさんのメリットがあるのでご紹介していきます。
メリット1:自宅住所の登録回避
上記でも記したように女性の場合、自宅の公開によってトラブルに巻き込まれるケースもあります。自宅を公開することに不安を感じている方は、バーチャルオフィスで住所を格安でレンタルし、本社住所として利用することができます。ネットショップを運営している方などは、特定商取引の住所としても利用することができます。作業自体は今までと同じように自宅やカフェなど好きな場所で行うことができるので、フリーランサーにもおすすめです。コンサルタントや士業の方など、特に固定の執務スペースを確保する必要がない場合もございますが、信用力やご自身の事業のイメージをあげたいそんな方々にもおすすめです。
メリット2:都心一等地の住所
バーチャルオフィスの一番のメリットは、信用力とブランド力のある都心一等地の住所をレンタルでき、法人登記用の住所として利用できる点です。設立したばかりの会社や売上規模が小さい会社ではコスト的に事業所を構えることが難しい一等地で名刺や、ホームページに記載ができるようになります。これは東京の中心部の住所であればあるほど事業に良い影響を及ぼすことが多いのが事実です。東京の中心部であればあるほど事業に良い影響を及ぼします。誰もが知っているような信用力のある所に住所をかまえることで、取引先にも安心感や信頼性が生まれます。
メリット3:効率の良いコスト
事務所を所持しようとした時、掛かるイニシャルコストは非常に大きな負担になります。賃貸するにあたり、賃料の数ヶ月分の敷金・礼金、半年から1年分必要になる場合もある保険料など、初期費用がとてもかかります。さらに毎月の賃料は、立地条件が良ければ良いほど月額賃料も高額になり、出費はさらに大きくなります。さらに内装工事なども考えると、事務所を構えるだけで1,000万円近くの資金が必要になってくる可能性もあります。
一方、バーチャルオフィスの場合、敷金礼金が不要で、少額の入会金や保証金のみで利用が可能です。さらに、仮装オフィスなので、内装工事などの必要もなく、イニシャルコストを圧倒的に抑えることができます。
また、バーチャルオフィスは必要な時に必要な分だけ利用するスタイルのため、必要のない経費を削減することができます。
事業所を構えた時のランニングコストは非常に大きなものです。急な来客の受付要員や、外出中の入電に対する一時対応、時々しか使わないFAX。外出している時間の方が圧倒的に長いワークスタイル。この様な、使用頻度はそれほど高くないにも関わらず、必要不可欠な雇用のための人件費や設備費、事務所の賃貸料を含む固定費などを大きく削減できます。
メリット4:会議室の存在
特定の固定執務スペースを必要としない場合の起業においても、必ずクライアントや関係者と打ち合わせをするスペースが必要となります。普段はカフェやホテルのロビーなどでの打ち合わせで良いかもしれませんが、その様な場所では会話の内容が周囲に漏れたり、重要な内容の打ち合わせがしにくいなど不安な場面も存在します。やはり、重要な案件や、社外秘の含まれる内容などは、気兼ねすることなく話せる環境が必要になります。バーチャルオフィスでは、大抵の場合会議室(有料・無料)が用意してあります。
いかがですか?バーチャルオフィスは個人で起業される方にとって事業をスムーズに行うための補助機能がたくさん備わっています。
バーチャルオフィスを利用することのメリットが分かったところで次はバーチャルオフィスを選ぶ基準について考えていきましょう。
バーチャルオフィスを選ぶ基準
バーチャルオフィスを選ぶ基準は色々あります。価格や立地、どのようなサービス内容なのか、施設の雰囲気、各種支援、コミュニティ、知名度(ブランド力)など、見るべき観点はたくさんあります。
ナレッジソサエティでは、入会された100名のバーチャルオフィスを選ぶ基準をそれぞれ調べてみました。
その結果、価格:31%、立地:22%、充実度:14%、その他:33%(※その他には、郵送物の転送、各種支援、施設の雰囲気、会員間の交流の機会、セミナーの充実度が含まれます。)
というデータになりました。データの1/3を占めていることから、やはり価格は皆様が気にされる点だと思います。しかし、この数字を見て、「え?価格が1番の基準ではない人がいるの?」と思った方もいるかもしれません。バーチャルオフィスを決める時に、「安いところにしよう!」という決め方はオススメしません!
サービス内容(立地を含める)が全く同じなら安いことに越したことはありません。しかし、サービス内容が全く同じのバーチャルオフィスは存在しません。
価格だけ見て高い、安いと判断することは的外れで、どのようなサービス内容なのかよくよく検討する必要があります。
いくら安くても求めるサービスを得ることができなければそれは無駄な投資になってしまいます。
上記のデータからバーチャルオフィスを利用される方にとって、価格が重要な要素であると分かりました。
しかし、ナレッジソサエティのバーチャルオフィスは4,500円です。安いだけであれば他にいくらでもバーチャルオフィスは存在します。つまり、「安いから選んだ」というより「価値が価格相応」と判断したから選んでいただいたのだと考えております。
バーチャルオフィスの値段設定の違いはサービス内容です。
バーチャルオフィス=住所を借りる
という認識は間違ってはいません。
しかし、運営会社によって提供されるサービスや料金形態には差が生じます。
では、どのようにバーチャルオフィスを選べば良いのでしょうか?
バーチャルオフィスの選び方
ずばり!目的をハッキリすることが大切です。
「〇〇をするためにバーチャルオフィスを使いたい」の〇〇の部分です。
バーチャルオフィスへのニーズは、利用する方によって全く異なります。
Aさんの場合、住所が欲しい。(住所だけあれば良い) Bさんの場合、住所はもちろん、普段は利用しないが、クライアントと打ち合わせをすることがあるので、そのような時だけ会議室を利用したい。など、ニーズは異なります。
両者では求めるサービスが異なります。そのため、価格も当然異なります。
もっと言うとBさんの場合の中でも、会議室のグレードやサービスの充実度によって価格はもちろん異なります。
例えば、パーテーションで区切ったところを会議室として利用するのと完全個室での会議室では後者の方が価格が上がるのは納得いただけると思います。
立地に関しても、賃貸マンションやアパートを探された経験がある方でしたらイメージしやすいと思いますが、駅からのアクセスが良いほど価格も当然上がります。
駅近徒歩1分の完全個室の会議室と徒歩で25分のパーテーションで区切っただけの打ち合わせスペースでは価格の差が生じることは当然だと思います。
もしも、クライアントを招いて打ち合わせをし、商売繁盛させようということであれば、コストをかけてでも駅近のバーチャルオフィスを使用すると思います。
このように、バーチャルオフィスでは、価格だけではなく、利用の目的が満たされることを基準に選ぶことをオススメします。
1,000円未満で借りることのできるバーチャルオフィスも存在しています。
もちろん「何が何でもコストを抑えたいから名刺に表記できれば良い!」ということが目的であれば格安のバーチャルオフィスを選ばれることがベストな選択です。
むしろその人にとっては不必要なサービスが充実している10,000円のバーチャルオフィスを選ぶことは絶対に選択ミスです。
反対にブランドイメージの高い商品を扱う方で、クライアントとの打ち合わせを行う必要があるのであればブランディングの為に内装が高級感漂うハイクラスのバーチャルオフィスを借りた方が良いです。
コストを削減し過ぎた結果、満足できるバーチャルオフィスではないことが理由で移転することになってしまったら元も子もありません。
移転には経費はもちろんオフィスを探す労力や時間のコストもかかります。
バーチャルオフィスを選ぶための18個のポイント
バーチャルオフィスの見るべきポイントをもう少し詳しくみていきましょう。
18個のバーチャルオフィスを選ぶ際に検討すべきポイントと考えてみます。
1.住所が汚れていないか?-犯罪に利用されたことはないか?
バーチャルオフィスを選択する上で、第一に考えなくてはいけないことは何でしょうか?
それはずばり「その住所が汚れていないか?」ということです。
「住所が汚れている」とはどういうことでしょうか?
登記した法人が犯罪に関与したりした住所のことを、「住所が汚れている」といいます。
住所の汚れたバーチャルオフィスを利用することは避けるべきです。
たとえどんなにネームバリューのある一等地の住所であったとしても、その住所を利用した犯罪や公序良俗に反するようなビジネスを行った企業が以前に存在していれば、犯罪履歴等が残ってしまいます。その中でも特に厄介なのは、犯罪を犯した会社は連絡がつかなくなります。法人は他人が登記を移転させられないので、連絡がつかないとその住所に居続けるほかありません。
犯罪を犯した法人の登記が残っているバーチャルオフィスと契約してしまえば、見込客が訪問するために住所を検索すると検索結果に犯罪を犯した法人が同一住所として出てくる可能性があります。
見込客はどう思われるでしょうか?
マイナスにとらえることは想像がつくと思います。
健全な業務をしていても他の法人が行ったことに対して自社が影響を受けてしまうということです。バーチャルオフィスを使って安く起業できても、事業を行っていく上でマイナスになるような住所に法人登記をしたのでは事業にとってマイナスの面しかありません。
ですので、契約を行う際にはどんな住所が使えるのかを聞いた上で、ネットで「実際に使用できる住所」「実際に使用できる住所+詐欺」「実際に使用できる住所+犯罪」などといった形で検索を必ず行うことをおすすめします。おかしな情報が出てきていないかを確認することが大切です。おかしな情報が出てくるようでしたら、そのバーチャルオフィスと契約をすることは避けた方がよいです。
2.審査がしっかりしている事業者か?
犯罪を犯そうとする法人を排除するには、バーチャルオフィス側の努力が必要です。
利用申込の際に審査がしっかりしているバーチャルオフィスをおすすめします。
100%犯罪が発生しないという保証はどこのバーチャルオフィスも保証はできませんが、できるだけしっかりとした審査体制で運営していることが安心感を高めてくれます。
契約する際に、「ちょっと面倒だな」と思うような入会手続きを行なっている方が、悪用しようとする人を遠ざける効果として有効です。手続きが面倒だからといって、いい加減な審査体制のバーチャルオフィスを選ぶことは、後々大きな代償を支払う可能性を増大させます。
即日利用できることをアピールしているバーチャルオフィスは危険です。即日利用できるということは、どういうことか考えてみましょう。入会に際しての必要書類が少ない、審査がいい加減、または審査自体全くしていないということになりますので、不正利用をしようとする人を見つけられない可能性があります。また、不正利用しようとする人は、簡単に入会できるバーチャルオフィスを選ぼうとしますので、不正利用目的で入会しようとする人の数が増えます。
3.口コミはしっかりしているか?
いままでの項目はバーチャルオフィスを選ぶうえで、必須ともいえるべき項目かと思いますが、その他にも重要という項目があります。ネット上の口コミです。
では、口コミではどのような点を評価するべきでしょうか?
例えばGoogle MAPでの評価について考えてみましょう。この時、点数あくまでもひとつの目安として考えるべきです。バーチャルオフィスについての評価の場合、本当の会員、たまたま利用した人、全く関係のない人、つまりバーチャルオフィスのサービスを利用したことがない人が混合されて評価が投稿されています。
つまりバーチャルオフィスのサービスを利用しての評価ではないということです。会員でない場合、法人登記をされていないので千代田区や銀行のビルに住所のあるメリット、郵便物・宅配便の受け取りや転送、普段のサービスのクオリティなどは全くわからないなかでの口コミ(星を残すだけ)になっています。よってバーチャルオフィスを選ぶ際の判断基準とし使うにはあまり信頼はおけないわけです。
ではどういったところで判断をしたらよいのでしょうか?
ひとつは口コミの数です。口コミは放置しておいただけでは集まりにくく、特に良い口コミについては集まりにくいものです。そういう性質にもかかわらず評価を入れてくれるという段階でバーチャルオフィスの運営者と利用者の関係性がよいということが言えると思います。口コミがほとんどないバーチャルオフィスは悪いこともないかもしれませんが、よくもないと言えます。さらに言えば「口コミを入れるほど利用者がいない=選ばれていないバーチャルオフィス」ということも言えるかもしれません。
またネガティブな口コミは具体的な問題点をあぶりだしているのでしっかりと確認することが大切です。「問い合わせに対する連絡が遅い」「郵便物が送られてこない」「郵便物の転送に意外に料金がかかる」「返事がない」などネガティブな口コミはかなりピンポイントで実態を表していることが多いのでとても参考になると考えられます。
4.郵便物や宅配便の受け取りや転送サービスが充実しているか
具体的なサービス面で気をつけなくてはいけないところはどういったところでしょうか?
まず大切なポイントは郵便物の受け取りや転送です。これは事業を行う上で欠かせないポイントです。普段事業を行っていく上で郵便物のオペレーションがスムーズに運営されないと、事業自体が止まってしまう可能性が出てきます。後ほど立地、価格、住所のネームバリューなどについて説明もしますが、それらが勝っていても郵便物をしっかりと取り扱ってくれなくては、それらの有効な点が無意味になります。郵便物についてはしっかりと確認をする必要があります。
では、郵便物については具体的にどんなポイントを確認するべきでしょうか?
まずは、郵便物についてのネガティブな情報が口コミにないかという点です。バーチャルオフィスの利用者が不満を感じているポイントが口コミには反映されていると思います。しかし、口コミを一概に信じるのではなく、「口コミではこう言われているが本当はどうなのだろうか?」という疑問の視点を持つことが重要です。例えば「郵便物の転送手数料が高い」と書かれている評価があったとしましょう。一概に、「高いからダメだ」としてしまうのではなく、月に何通送られてきて何回転送した場合いくらかかるのか?という具体的な価格を実際に問い合わせるなどして確かめた方がよいと思います。万能のサービスということはあり得ないので、ある方にとってはフィットするけど、別のビジネスを行っている人にはフィットしないということがございますので気をつけてください。
それらを踏まえた上で、実際に確認したいポイントを挙げてみます。
一つ目は郵便物の受け取りです。まずバーチャルオフィス運営者がそこに届く郵便物で受け取ってくれるもの、受け取ってくれないものがあるという点と、利用者がそこに言ってピックアップすることができるか?という2種類の受け取りの確認点があります。
何を受け取ってくれて、何を受け取ってくれないのか?については当然確認が必要です。
サインを必要とするもの、本人限定受け取りのものが届いた場合の扱いについて特に確認が必要となります。簡易書留の場合は、代理サインを行っているケースがあります。その一方で本人限定受け取りのものは代理サインができません。その場合にどうなるのかをバーチャルオフィスと確認しましょう。
自分が郵便物を引き取りに行くピックアップについては、それができるのかを確認しましょう。そもそも受け取りができないというケースがあります。多店舗展開をしているところだと郵便物の処理をどこかの店舗で集中して行っているので、自分が登記した住所とは別のところに取りにいかないといけない場合があります。
次に転送についてです。標準サービスとしてどのような点が備わっているのか確認する必要があります。転送機能が備わっているのか?それは何回か?追加で支払いをすれば転送頻度が増やせるのか?また、いずれの場合でも手数料とは別に実費の送料が請求されるのか?という点を見ないといけません。
届いている郵便物についての確認ができるのか?という点も重要です。利用者としては当然確認できると思う方も多いと思います。しかし、バーチャルオフィスは大量に郵便物を受け取っています。また、先程あったように別の場所で郵便物を処理していたりするのでどのようなものが届いているかの確認ができないというバーチャルオフィスもあります。
5.ビジネスに適した住所か?ネームバリューは?
バーチャルオフィスは住所を借りることになります。
住所が汚れていないかというのが最重要事項ですが、ここではプラス要因として考えられるものを挙げていきます。住所は、事業を行う上で、名刺・登記簿・会社案内・ウェブサイト・チラシなど様々なものに記載するものです。多くの方に見ていただくものになりますので安易に決めることは大変危険です。
では、具体的にはどのようにバーチャルオフィスの住所を考えていけばいいのでしょうか?当たり前のことながら、住所は登記簿・WEB・名刺等に載せるものです。したがって、会社のブランドイメージとしてプラスになるようなものでなくてはなりません。特に全国的にサービスや製品販売を展開していきたいお客様は、東京の中心部の住所を使った方が相手に与える印象が良いです。
相手にとっても聞き覚えのある住所であれば、より良い印象を与えるという点において東京都内の主要なエリアの住所が有利になります。そのためには都内中心部のバーチャルオフィスを選ぶ必要があり、はずれにある区では、都内中心部のネームバリューがある住所が、それほど高くない金額で事業拠点の住所として持てるバーチャルオフィスの最大のメリットを利用できずもったいないです。
ただ、同じ区内でもエリアによって与えるイメージが異なります。
例えば同じ千代田区でも丸の内エリアと秋葉原エリアに対して人々の持っているイメージは全く異なると思います。
自社のイメージに合ったエリアの住所が使えるバーチャルオフィスを選んだ方がよいでしょう。
6.ビルの名前は?
住所ということで考えると、番地の後にビル名がきますが、住所という意味でのビルについて、ビルの名前も比較検討のポイントに入れていただくとよいと思います。
しっかりとビジネスオフィスをイメージさせるビル名であることが大切です。
たとえば「●●ハイツ」「●●荘」などいかにも居住用の建物名が入っているととてもチープな印象を与えます。お客様の大切なクライアントからも不信感を抱かれるかもしれません。
オフィスビルとして名の通ったビル・大手企業に紐づいたビル名など信頼感を与えるようなビル名が住所に入っているバーチャルオフィスですと、クライアントから受けるイメージはプラスになります。
ただし、ビル名が変わる可能性があるので注意が必要です。
ビル名が変わると名刺・WEB・パンフレットなどの様々な修正が必要になります。
それよりも問題となるのが、旧ビル名のままの情報を見て訪問する方がいる場合です。ビル名が変わっていることを認識せずにいると、目指しているビルが存在しないということになります。見込客との初の面談などを予定していた場合、ビルに到着できずに面談に現れないという可能性も考えられます。
ビルによって、名称が変わりやすいビル、そうでないビルというのがあります。
ひとつの例としてはそのビルがファンドなどのポートフォリオに組み込まれている場合で、ビルの売買が頻繁に行われる物件です。
オーナーが変わることによってそのビル名が変わるということがあり、ファンドに所有されているビルにあるバーチャルオフィスはビル名の変更に対する注意が必要です。
7.有人スタッフの存在
バーチャルオフィスに有人スタッフの存在は、なくてもよいと考えることもできますが、有人スタッフがいるとメリットが多いです。
スタッフがエントランスにいるのといないのでは来館した方に与える印象は大きく違います。小規模なバーチャルオフィスでは、会議室が少なく、来館しても誰もいない状態があります。これが見込客との初めての面談のようなケースですと、相手にかなり不安を抱かせることになります。もし電車の遅延などでゲストより到着が遅れるような場合だと大変です。そんな場合に有人スタッフがいれば、「●●さんは会議室の予約を入れていますので、たぶん遅れてこられるのだと思います。」といった案内ができます。
また郵便物でもスタッフの存在は重要になります。例えば、郵便物が到着した際も宛名が曖昧な郵便物などに関しては、普段から利用者のことを知っているスタッフがいる場合、適切な対応ができます。
人を配置するということはその分バーチャルオフィス側にもコストが発生しますので、利用料金は上がることになります。ですが、可能であれば入口にスタッフを配置してあるバーチャルオフィスの方がここぞという時によいと考えています。
8.突然の来客に対応ができるか?
来客という点で言えばアポイントをとって来られる方ばかりではありません。突然アポなしでやってこられる方もいます。
そのような時に、突然やってきた来客に対してうまく対応できる仕組みを持っているバーチャルオフィスと対応できないバーチャルオフィスではクライアントに与える印象が大きく異なります。
また突然の来客があった場合に、スタッフがエントランスにいれば問題ありません。もしいなかったとしてもすぐにコンタクトが取れる仕組みを用意しているのであれば、利便性は高まります。
9.人の動きのあるオフィスか?
バーチャルオフィスは会議室を利用する時だけに行くようになりますので、バーチャルオフィス専業で運営されている場合は、閑散とした雰囲気になります。そういった点から人の動きがあるオフィスかそうでないのかも重要なポイントになります。
突然の来訪を受けたときに、全く人気のないバーチャルオフィスでは怪しい印象を受けられると思います。
では、どういうオフィスですとそういったことが回避できるでしょうか?
例えば、シェアオフィスなども同時に運営しているようなバーチャルオフィスがあります。シェアオフィスは基本的にその場に行って仕事をすることが前提になりますので常に人の出入りがあります。常に利用者が出入りしているため突然の来館があっても安心感を持っていただけます。
10.エントランスは来客を混乱させないか?
エントランスは会社の顔であるのでかなり重要です。
エントランスに入ってきて訪問先の企業にちゃんとコンタクトが取れるようになっていることが大切です。人もいないし内線電話もないという状態では訪問してきた方はどのようにすれば良いのか混乱してしまいます。
エントランスがきちんとわかりやすく設定されていないとご自身のクライアントに対して混乱させてしまうことになってしまいます。
11.会議室の種類は豊富にあるか?
バーチャルオフィスは必要な時だけ会議室を使えればよいというスタンスで利用される方が多いです。
その中でも、まずは会議室の数が豊富なことが重要です。普段は自宅で作業する方でも商談や会議などで会議室を利用するシーンがあります。
商談や会議の際に、掲載されている住所でスペースが確保できるのとできないのでは利便性が異なります。
商談場所が名刺やWEBの住所と異なっていれば、場所を伝える手間が増えます。カフェやホテルのラウンジなどを利用すると、クライアントからは「オフィスに招きたくないのかな?」という印象を持たれるかもしれません。
来客を招く時に会議室の数がたくさんあるバーチャルオフィスであれば急な会議や打ち合わせになっても会議室の予約がとりやすく、人数や内容に応じた適切な会議室を準備することができます。
会議室の種類も同じく重要です。例え一人での起業であっても、会議室まで小規模でよいというわけにはいきません。
見込客を集めるためにセミナーを開催したり、クロージングのために対面で話せるスペースが必要だったりとシーンごとに会議室が必要になり、必要な会議室の種類も異なってきます。
外部の貸し会議室を借りるとなると、申し込み手続きなどの無駄な作業が発生します。
シーンに合わせて最適な大きさの会議室やスペースが利用できるバーチャルオフィスは事業を支える機能も高く、かなり利便性に優れていると言えます。
12.会議室が個室か?半個室か?
会議室の作りについても確認しておくとよいです。
会議室があると言っても、中には消防法上の規制のために完全な個室ではなく上部が空いている会議室もあります。
部屋の上部が隣とつながっている会議室では話す内容や声の大きさ、他の方の声に気を取られるなど、思ったように会議が行えない場合があります。
情報セキュリティの面から完全個室の会議室を利用することがベストです。
ただ、安全性の問題も同時に考えたいところです。女性起業家にとって、安全性を確保できる空間は大切です。男性と1体1で個室に入っても安全を実感できるようになっていることは、女性にとってとても大切なことです。
例えばガラス張りの部屋で空間が区切られつつも中の様子がある程度分かるようになっていると、話の内容が漏れることはないが、外からの目もあるので安全が確保できるという状態になっている。そしてスタッフが常駐している。
そのようなことにまで配慮して作られているかどうかが非常に重要になってきます。
13.立地はどうか?
立地は当然のことながら重要な比較ポイントです。
駅から近いということは当たり前です。自分が通うことはもちろんですが、会議にはクライアントの存在があることを考えれば安いからと言ってあまり駅から離れた場所にあるバーチャルオフィスは望ましくありません。
また仮に駅から少し離れた場所であったとしても、来客の方が迷わないようなわかりやすい立地にあるということも押さえておくべきポイントです。
駅からバーチャルオフィスまでの立地が重要なことはもちろん、都内の立地も重要なポイントです。
都内のどこからでもアクセスができるという場所がよいです。例えば、九段下ですと東京メトロ東西線/半蔵門線、都営新宿線の3路線が走っています。これによって東京駅(大手町駅)、渋谷、新宿などに乗り換えなしで行くことができます。
また3路線あるというところもポイントです。3路線あることによって、どれかの線がトラブルで止まってしまっても、なんとか迂回して九段下までたどり着けるという安心感があります。
大変な場所だから、こちらから出向こうではなく、便利のいい場所だからぜひお越しくださいと堂々といえるような場所の方がクライアントに与える印象にプラスになることは間違いありません。
14.ビルの外観は大丈夫か?
立地とともにビルの外観も非常に重要だと考えています。ビルの外観は打ち合わせなどでお客様と初めてお会いになる場合、お客様に与える最初の印象になります。
ご訪問時の印象が「なんか古っぽいな」、「お化けが住んでいそう」「なんかここ大丈夫だろうか?」
と思われてしまうような外観のビルでは中に入るのに躊躇してしまうと思ってしまう見込客の方が現れてもおかしくありません。
自社のビジネスのブランドイメージにマイナスにならないような外観のビルをバーチャルオフィスとして選んだ方がよいでしょう。
また、わかりやすい外観になっているか?という点も重要です。
「入口がわかりにくい」「ビル自体がわかりにくい」「どのエレベーターに乗ればいいのかわからない」となると、打ち合わせなどで来館する顧客のみなさまに親切でないオフィスになってしまいます。
15.バーチャルオフィスを専業またはメイン事業としているか?
その他にバーチャルオフィスを選ぶ時に検討しなくてはいけないことはなんでしょうか?
なかなか普通に思い浮かばない視点としてはバーチャルオフィスを専業またはメインの事業としているかどうかです。
まずはバーチャルオフィスについての考えをご紹介します。
バーチャルオフィスを利用するお客様にとって一番大切なのは、契約した住所はずっと使い続けられるのか?ということだと考えます。
例えば、自分の意志とは関係なく、バーチャルオフィス側の都合で住所を変更しなくてはいけないことにとても厄介なことになるでしょう。
バーチャルオフィスの運営事業者の中には、余剰スペースの有効活用というスタートというケースがあります。本来の事業として会社や店舗を持っているが、余剰スペースが生まれた。その余剰スペースを貸し出すことで不動産収益を得たい、もしくは賃料の足しにしたいという目的で運営されるバーチャルオフィスも存在します。
いわば副業として不動産の空きスペースを活用して利益を上げる目的というわけです。
それがお客様にとってのデメリットになる可能性があります。
バーチャルオフィスを専業にしていないオフィスサービスでは本業の経営状況や運営方針によって突然バーチャルオフィスを閉鎖することがあります。
バーチャルオフィスの突然の閉鎖は、運営事業者の経営不振の時だけではなく、メインの事業が拡大して運営に手が回らなくなるなど、運営事業者の経営が好調な時にも起こりえます。
また、専業の事業者と本業ではない事業者のバーチャルオフィスでは、サービスに対する考え方にも差が生まれるかもしれません。
余剰スペースを貸し出そうという理由でスタートした事業者と、オフィスサービス専業での経営に取り組む事業者とでは、当然サービスに対する思いは全く違うからです。
ですので、バーチャルオフィスの利用を検討する際には、どういう理念でバーチャルオフィスを運営しているのかということを、利用する際は知っておいたほうがよいでしょう。
16.事業者の経営状態は大丈夫か?
事業者の経営状態が悪いとサービスを廃止するというケースも出てきます。
そのため、安心してご利用いただくために利用するお客様は、事業者の経営状態を確認されることをおすすめします。
バーチャルオフィス事業者の経営状態が悪く、バーチャルオフィス事業を廃止するとなった場合、利用者様のオフィスの住所は消滅することになります。そこから、新たなオフィスの住所を探して移転登記を余儀なくされます。
移転登記には時間も費用も大きなコストがかかります。予定外の移転登記は単純な損失です。
そのため、経営状態に問題がある可能性のあるバーチャルオフィスは避けなくてはいけません。
とはいえ経営状態を知るということはなかなか難しいことです。経営状態が悪いバーチャルオフィスが「うちの経営はよくありません」と進言するとは到底思えません。
その代わりとして、参考になる指標として業歴はおさえておいた方がよいでしょう。
業歴を見て創業年数が長いということは、経営基盤があることを意味します。
しかし、新規オープンの場合はその後の経営次第で廃業も考えられますから注意が必要です。
特に、オフィスサービスを本業ではなく副業で運営しているような場合は、儲からなくては副業の意味がありませんから撤退の判断が早くなります。
17.ビルの契約状況はどうなっているか?
事業者の経営について他に気にしておくべきポイントとしては、バーチャルオフィスの事業者が借りているビルとの契約状況は把握しておいたほうがいいでしょう。
その理由としては、さきにお答えした回答と同様に、事業者がビルを借りて運営している場合、突然の移転を余儀なくされる可能性があります。
お客様が事業計画の予定にはない移転のリスクを軽減するためにも、バーチャルオフィス事業者とビルオーナーとの契約状況を確認しておくことは重要です。
では、具体的にこういう契約状況だとまずいというものがあるのでしょうか?
定期借家契約を結んでいる場合は要注意です。
定期借家契約の場合、決められた契約期間が終了すると、契約更新など新たに契約を結ばない限り、借主はその物件から退去することになります。
更新することになっても、再契約の際に借主と貸主の条件が合わない場合、退去ということになります。
それに伴い、バーチャルオフィスご利用のお客様も登記などを移転させる必要が出てくるのです。
しばらくはこの住所で事業に集中したいと考えている場合、これでは安心して事業に専念できません。
18.コストパフォーマンスはどうか?
最後に価格面についてです。
価格については絶対的な金額よりもコストパフォーマンスを重視するべきでしょう。
考えなければいけないこととして、価格の幅はバーチャルオフィスの場合であれば多くの場合は数千円・数百円の差です。どれだけ差が開いていたとしても、1万円いくかいかないかです。
自身の目的を叶えるために必要な要素があるのに、数千円・数百円の差のために目をつぶるということだけは絶対に避けたほうがよいと思います。ほんの少しの差であればコストパフォーマンスに目を向け、自身の事業を円滑に進めるべきでしょう。
バーチャルオフィスについての勘違い
バーチャルオフィスは、新しいサービス事業のため、あまり認知が進んでいません。そのため、様々な噂も流れており、中には多くの勘違いしている情報も存在します。典型的な勘違いをご紹介していきます。
銀行の法人口座開設ができない
結論から言うと、「バーチャルオフィスでの法人口座の開設可能です。」
過去に、バーチャルオフィスで設立された法人口座が犯罪目的で利用されたケースが多発した経緯があり、各金融機関では厳しい口座開設の審査が依然として行われています。しかし、しっかりとしたバーチャルオフィスではほとんどの方が法人口座の開設に成功しています。つまり、バーチャルオフィスにおいて法人口座の開設ができないのではなく、口座開設が難しいバーチャルオフィスが存在すると言うことです。
過去に犯罪を犯した法人が契約していたバーチャルオフィスでは、銀行の法人口座を開発することが難しくなります。その様なバーチャルオフィスを選ばないためにも、契約前に実際に使う住所を確認した上で、「使う住所+犯罪」などで検索をし、以前に何かトラブルに巻き込まれていないかを調べることをおすすめします。
また、銀行の口座開設には、バーチャルオフィスとは関係なく、自身が金融機関から信用を得る必要があります。少なくとも下記のような項目については金融機関から確認されることを想定しておくことが必要です。
登記簿謄本の事業目的・記載内容・理由
数字の根拠をしっかりと述べられた事業計画書を作成してあるか。
事業実績(法人・個人を問わず)
紹介者の有無
代表者が信用できるかどうか
事業実体がどこにあるのか
金融機関は、信用を一番に考えるため、しっかりとした事業を行う姿勢や態度が必要になります。また、ホームページなどしっかりと作るなど審査においても確認されることが多いようですので可能な限り準備をしましょう。
社会保険に加入できない
バーチャルオフィスを利用しているという理由のみで社会保険に加入できないということはありません。むしろ、年金事務所は積極的に加入を促しています。実際に年金事務所は、高頻度で窓口にやってきて加入を促すための連絡をし、書類を渡すように依頼を受けます。年金事務所の背景をもとに考えてみましょう。これは、日本の財政状況を考えれば当たり前のことですが、年金の財源が危ぶまれている現在、バーチャルオフィスだから年金に加入できないと門前払いしてしまっては、とれる財源も逃してしまうことになります。社会保険に入りたいという人を基本的には加入させるというのが必然といえるでしょう。もし社会保険に加入できないのであれば、それはバーチャルオフィスを利用しているということ以外の理由であることが推測できます。
住所でウェブ検索をされると困る
このインターネット社会では、すべての物において検索から始まるといっても過言ではありません。
クライアントに対して、社会的信用を手に入れるために利用したバーチャルオフィスの一等地住所がこのウェブ検索にかけられた時に、同じく住所で登記された他の数多くの企業HPが検索結果に表示されることになります。クライアントから不信感を持たれるリスクがあることは理解をしておく必要があります。
ただ、バーチャルオフィスを事務所として会社経営をすることは何一つやましいことではありません。バーチャルオフィスは上手に利用をすれば、起業の成功率を高めることができるのは間違いないのです。自社で提供するサービスの価格を考えてみた場合、自社でオフィスを構えると、その費用はサービスの価格に転嫁しなくてはなりません。単に信用を得るためだけの費用ではなく、ワークスタイルから考えた時に不要なオフィスコストはカットすることが現時点での最善の選択であり、提供するサービスの価格も安くなることを堂々とクライアントにお伝えする方が好印象でしょう。バーチャルオフィスでの設立登記を臆することなく堂々と自信を持っていただきたいと当社は切に願っております。
その一方で、バーチャルオフィスであることを隠すために、WEB上に住所を掲載する際には、住所の書いた画像で掲載しなければならないという規約を設けているバーチャルオフィスがあります。確かに、画像にすることによって住所で検索しても、その住所の法人が文字の検索でヒットすることがなくなりますので、バーチャルオフィスであることは分かりにくいことは事実です。
しかし、そのWEBを見た人が受ける印象はどうでしょうか?住所、または会社概要全般だけが画像で公開してあれば「何か住所が検索で引っかかるとまずいことでもあるのか?」という印象を受けるのではないでしょうか?こういった会社にビジネス上での大切な取引をしたいとクライアントは思うでしょうか?バーチャルオフィスは怪しいという考えの人が余計に怪しさを増幅させる。まさに自分の首を締めるというおかしな現象が起こっているのです。前期したように、バーチャルオフィスを利用すること自体全く恥ずかしいことではないという信念を持ってますので、テキスト形式でWEB上に表記することに誇りを持っていただきたいと考えております。
審査のしっかりしているバーチャルオフィスの選び方
バーチャルオフィスはそれほど歴史のあるサービスではないため、会社によってサービスの内容が大きく異なります。また、未だに詐欺を行う会社もあるため、会社選びは慎重に行う必要があります。
信用のおけるバーチャルオフィスを見分ける方法をご紹介します。
- 本人確認審査を実施している
バーチャルオフィスは、犯罪収益移転防止法の特定事業者にあたります。
「犯罪収益移転防止法」とは、マネーロンダリングの疑いのある取引の届出を義務付けるもので、犯罪に夜収益の移転防止を目的とした法律です。バーチャルオフィスは、住所貸しという特徴のあるサービスなので、犯罪抑制の観点から本人確認のチェックが厳格に求められています。
- 利用者と顔を合わせる機会があるかどうか
審査や本人確認とは別に、実際に対面での契約や事務所の内見を実施しているかという点も重要です。
インターネットの普及した現代では、申し込みから契約までを全てネット上で完結することも珍しく無くなってきました。しかし、バーチャルオフィスにおいては必ず一度は顔を合わせと方が良いでしょう。
あまりにも古いビルや、バーチャルオフィスは、破綻するリスクに直結するため、必ず確認を行いましょう。
こんなバーチャルオフィスには気をつけろ!
・必要書類をデータで提出すれば契約できてしまう
・必要書類の提出だけで審査がなくても契約ができてしてしまう
・運営会社が一度も利用者と会わずに契約ができてしまう
・だれでも簡単に契約ができる
このようなバーチャルオフィスは、犯罪に利用される可能性もございますので、検討する際には、契約をする前にしっかりと信用のおけるバーチャルオフィスかどうかの確認を怠らないようにしてください。
最後に
皆様いかがだったでしょうか?今回は、バーチャルオフィスは、まだバーチャルオフィスを使ったことのない人や、これからバーチャルオフィスを使おうとしている人に向けて、利用する前に気を付けたほうが良いポイントをまとめてご紹介いたしました。
様々な観点から見ていても、共通する気を付けたほうが良い重要ポイントがたくさんあったと思います。
住所を借りるということの意味を理解することと、利用する上での責任、犯罪に巻き込まれないようにすることは、自身の事業を守るうえで非常に大切です。また、利用するにあたって、何が自身の事業を最適化する上で重要になるサービスなのかをきちんと整理し、時にはバーチャルオフィスの運営者と相談を行うことも必要になってくるでしょう。
これからバーチャルオフィスを借りようと思っている人にこの記事が少しでも参考になれば幸いです。