近年東京の都市を中心として、多くのバーチャルオフィスが出現し始めました。それによって、個人事業主やフリーランスの方々はより事業を行いやすく、事業の拡大に向けて活動できるようになりました。組織から個人の時代へと変貌を遂げつつある現代の世の中で、バーチャルオフィスの存在は多くの個人事業主の事業をサポートする素晴らしい役割を果たしています。これからの時代の新たな働き方を実現してきました。
そんな一方で、まだまだ事業としての歴史は短い。そのために、バーチャルオフィスの1番の特徴である「住所貸し」を利用した、悪徳な使い方をする詐欺や犯罪が年々後を経たないのも現状です。
真剣に事業に取り組み、事業の円滑化や拡大に向けて毎日直向きに事業を行っているのにも関わらず、犯罪に使われた住所や犯罪を行う組織のバーチャルオフィスを利用してしまうと何もかもが水の泡となってしまいます。
犯罪に巻き込まれず、健全に事業を行うためには、どのような点に注意すれば良いのでしょうか?
今回は、そのような視点を中心にご紹介していければと思います。
この記事が少しでも参考になれば幸いです。
そもそもバーチャルオフィスとは
バーチャルオフィスは、日本語訳にすると「仮想の事務所」(virtual office)となります。
その名の通り、物理的な場所を必要とはしませんが、事務所としての機能を果たすようなオフィスのことです。つまり、物理的に作業を行っている住所とは別のところに事務所の住所を構え、その事務所の住所で実際に事務所に求める機能を果たすということです。
バーチャルオフィスの歴史は浅く、元々は海外でスタートし、日本においては2006年頃から急速に広まりました。携帯電話やインターネットによる通信環境が進歩し、オフィスではなく、自宅などで仕事をする新しい働き方が生まれ出しました。それに伴い、バーチャルオフィスの活用シーンは増えてきました。
バーチャルオフィスを使用する目的は、住所貸しが主な目的であり、住所と共に電話番号などを付与したり、荷物などが届く場所になったりする場所を貸し出すということになります。その為、実際に作業する物理的な場所は問わないものの、仕事の拠点と言える場所を他の企業やクライアント、行政に対して示すために使用するものと言えるでしょう。
バーチャルオフィスで会社としての住所を都心の一等地に借りることは、事業のブランドイメージを上げる効果や、クライアントからの信用を受けることにもつながり、融資などの判断材料としても、オフィスの所在地は重要になってきます。
また、企業によって大きく異なりますが、様々な付帯サポートをオプションで付けることができるのも大きな魅力の一つです。書類の保管や、来客対応などを行うサービスもあり、一見してバーチャルオフィスだと思わせない工夫や対策がある場所も存在します。特に来客対応サービスにおいては、受け付けを入れることによってクライアントからの信頼性の獲得に繋がる部分も少なくありません。
他にも、会社機能としては、会議室も必要とされる機能の一つです。
バーチャルオフィスでも会議室を借りることが可能です。
事業を行えば必ずミーティングが必要になります。常にクライアントのところへ赴く場合は良いかもしれませんが、「自分の事務所に招きたくないのかな」と不審に思われることもあります。
そのため、ミーティングの目的に適した会議室が借りられるサービスがあるところも、事業を行う上で重要なサービスの一つと言えるでしょう。
バーチャルオフィスは、自宅の住所を開示することなく、住所を借りて事業を行えるサービスです。もちろん、場所によっては、バーチャルオフィスとして貸し出していても会社としての登記を禁止している場所もある為、契約の際にはよく確認する必要があります。
このように多くの良い面を持つ一方で犯罪に利用されるケースもあります。
なぜ審査を行うのか?
先ほどからも申しています通り、バーチャルオフィスはビジネスを行う上で重要な「住所」を借りるサービスです。
そしてその住所は、同じバーチャルオフィスサービスを利用している全ての個人事業主や法人が共有する形で同じ住所を利用します。例え、その中の1社でも犯罪行為などを行ってしまうと、その住所が汚されてしまうということになります。
住所が汚れるということは、対外的にも、犯罪を犯した会社と同じ住所であると「犯罪と関係しているのではないか?」と疑われることにつながります。
利用者自身がどんなに注意をしていても、他の利用者の自分勝手な行動によって、自身に不利益を被ってしまう場合もあるのです。
健全にバーチャルオフィスを利用して事業を行っている方が被害を被ることのないよう、バーチャルオフィスの運営者は住所が汚れないように良からぬことを考えている方や犯罪につながる可能性のある方を未然に防ぐ必要があります。
だから多くのバーチャルオフィスが未然に犯罪を防ぐ対策として実施していることが審査なのです。
(多くと記載したのは審査不要のバーチャルオフィスもあるからです)
初めて利用する方や、面倒臭い手続きが苦手な方が、バーチャルオフィスを利用とする場合には、入会審査がスムーズで楽な方が嬉しいと感じることが多い。
しかし、バーチャルオフィスの入会審査が楽ということは、どういうことか考えてみてください。詐欺業者や反社会勢力の関係者など犯罪利用を企む組織が、入会審査の隙利用することにより、そのバーチャルオフィスを犯罪利用する可能性もあります。
もし、バーチャルオフィスを悪徳業者が利用しながら、悪事が明るみになり、大きな犯罪としてニュースになってしまった場合、ご自身の使っているレンタル住所の価値が毀損してしまうのは説明しなくても容易に想像できると思います。
インターネットが普及し、様々な審査が簡略化されていく中、審査が楽なバーチャルオフィスを選んでしまいがちです。ですが、バーチャルオフィスに関しては、ご自身の会社のイメージやブランド力を守るために、入会審査を厳しき行っているバーチャルオフィスを選ぶようにしましょう。
実際にバーチャルオフィスの運営会社は、悪徳なマネーロンダリングを防ぐために、犯罪収益移転防止法にのっとり、法令順守で運営することが義務付けられています。
バーチャルオフィスが犯罪に利用されることのないように、警察庁・総務省・経済産業省などの所轄官庁による指導や監督だけでなく、審査基準が厳格に設けられています。
まじめで良心的な経営を心掛けているバーチャルオフィスの運営事業者には、審査の基準や考え方についても契約候補のバーチャルオフィスにはきちんと尋ねてみるといいでしょう。必ず厳格な入会審査を行っています。
審査は何を行うのか?
では、そんな厳しい審査ではどのようなことを審査するのでしょうか?
会社にもよりますが、信頼のおけるバーチャルオフィスでは大抵の場合、対面審査と書類審査が行われます。
また、信用おけるバーチャルオフィスの審査に共通するポイントは以下の2点になります。
- 本人確認審査を実施している
上記でも説明した通り、バーチャルオフィスは、犯罪収益移転防止法の特定事業者にあたります。
「犯罪収益移転防止法」とは、マネーロンダリングの疑いのある取引の届出を義務付けるもので、犯罪に夜収益の移転防止を目的とした法律です。バーチャルオフィスは、住所貸しという特徴のあるサービスなので、犯罪抑制の観点から本人確認のチェックが厳格に求められています。この本人確認をしっかりと行うことが利用者の健全性を確認する第一歩になります。
- 利用者と直接顔を合わせる機会があるかどうか
審査や本人確認とは別に、実際に対面での契約や事務所の内見を実施しているかという点も信用できるバーチャルオフィスの特徴です。
インターネットの普及した現代では、保険なども申し込みから契約までを全てネット上で完結することが珍しく無くなってきました。しかし、バーチャルオフィスにおいては必ず一度は顔を合わせましょう。
あまりにも古いビルや、バーチャルオフィスは、破綻するリスクに直結します。自身の目でできる回避の一つになります。必ず確認を行いましょう。
バーチャルオフィスの審査を通過しやすくするポイント6【手続き編】
バーチャルオフィスの審査を通過しやすくするためには、その人がどのような人なのか・事業がどのような物なのかを明確にし、信用を勝ち取る必要があります。
その、信用を勝ち取るために気をつけなければならない点を6点ご紹介いたします。
1.提出書類をちゃんと揃える
当然のことではありますが、ご提出いただく書類をちゃんと揃えていただけるとは、スムーズに審査を行うことにつながります。会社によっては書類を全て揃えてない場合にはそもそも審査を断られてしまう場合がございます。
例えば、審査の1つに「事業内容がわかる資料」という必要書類のものがあります。
定款の業務内容のみは不可であり、会社案内、事業計画書など事業内容がわかる物でなくてはなりません。WEBがある場合はサービス内容と会社概要の部分が必要となります。すべてない場合はA4サイズ1枚程度で資料を作成いただき、事業内容をきちんと理解してもしてもらうことが必要になります。
こちらが無い場合にはどのような方なのかがわかりません。
バーチャルオフィスは信用が一番必要な業務であるため、この状態では審査をすることはできませんので審査自体をお断りされます。
2.提出書類がわかりやすい
「質問が不要なレベル」であることが提出書類の理想になります。
審査にお越しいただく方がバーチャルオフィスを利用してどのようなビジネスを行うのか確認をする必要がバーチャルオフィス側にはあります。
上記の「事業内容がわかる資料」ですが、会社案内や企業のパンフレットなど提出できる書類が無い場合、審査のために作成して提出する必要がありますが、その際に「何を書けば良いですか?」と悩まれる方が多いです。審査を受け付ける立場ならどんなものを求めるかを想定してみると、何が必要なのかが整理できスムーズに作成できると思います。
その際の例としては、これまでの経歴、どのような事業内容を行なっていくのか、そしてバーチャルオフィスが必要な理由などを記載されるのが良いと思います。事業内容のわかる資料には、人柄や事業内容などを明確にし、信用できるだけの情報が必要になります。
上記の大まかな項目の中には公表できる範囲での具体的な説明や数字やデータを入れた書類を作成したり、図を用いたり、参考となる類似サービスのURLを載せておくと文章だけでは伝わりづらい場合には理解がしやすく、スムーズに審査を行えます。
会社によってはバーチャルオフィスの審査を複数人で行っています。
直接会ってお話しする担当の方もいれば、資料だけをみて資料の情報から審査する者方もいます。どのような角度から見ても問題がないかを確かめるためです。だからこそ、誰にでも伝わるように「質問が不要なレベル」の資料を用意し、どの角度から見られても良い資料を作っておくことが大切です
ちなみにこの視点は銀行の法人口座を開設する際にも必要な視点です。
銀行の担当者が何を求めているのか?
口座を開設して懸念することはないか?
無事にビジネスを行う企業であるか?
相手の立場に立つことで、「既定の提出資料では足りないから追加の資料を作成しよう!」と追加で資料を作成する必要があることに気付くこともできるでしょう。
3.提出書類は事前に記入できるとこらから記入する。
契約時には、申込書や規約の同意書など多くの提出するべき資料があります。
ご利用開始日やオプションなどは当日に審査担当者と相談しながら埋める必要がある部分もあると思いますので、その時は審査の場で記入しても大丈夫です。
しかし、会社名や個人情報など事前にわかる部分に関しては事前に記入しておくのが良いでしょう。
一人にかかる審査時間は限られています。その時間内で十分なコミュニケーションの時間を確保するためには事前に記入して少しでも無駄な時間をなくすことが大切です。書類の記入は結構時間がかかります。時間を取られてしまい、思いををきちんと伝えられないことは利用者様にとってのマイナスです。
さらに、事前に記入が行われていることで、資料を読んでしっかりと準備をしていただける方だと安心感を与えることができます。
4.WEB(HP)がある
WEBやホームページを事前に準備しておくことも大切です。
既に事業をされている状態でバーチャルオフィスを利用しようと思っている方は、WEBをお持ちの方が、事業の実態が見えることでバーチャルオフィス からの信頼感を得ることにつながります。
反対に提出資料の中にはすでに、会社名やサービス名を記入しているのにも関わらず、それらの名前で検索したときに、インターネット上で見つからない場合にはバーチャルオフィス側は少し不安に思うことがあります。
そのため、バーチャルオフィスを利用するまでにWebを制作しておくと良いかもしれませんね。
5.実績を見せる
web関係のお仕事なら制作物、アパレルデザイナーであったならデザインした洋服、コンサルタントなら過去の案件など自身の過去の実績は信用に値します。
なぜならバーチャルオフィスはどのように使用してどんなことを行うのかを気にしています。もっと言うと変なことに悪用されないかに神経質なまでに気を使っています。
例えば、これから独立する場合にweb関係ということであれば、会社員時代のものでも何かしらのプロトタイプや実績があるはずです。すべて個人で行ったわけではなくとも、どのようなことができ、どのような環境に身を置いていたのかを示す証明にもなります。
申告していただいた内容に嘘はないと信じるためには、証明するものが無い場合には真っ当な方なのかどうかを判断することができません。
審査を通過しても禁止している業種の仕事を始められた場合や利用方法に問題がある場合には契約解除を行う会社もあります。
もし、これまで経験がない業種で起業する場合には決して嘘はつかず正直に伝えましょう。
起業する前には、資格取得や勉強などある程度の活動はしているはずです。しっかりと、そのこれから始めるということ伝えましょう。この場合には売上が無いことや実績がないことが理由で審査に通らないということはことはあまり考えられません。それよりも後から嘘が判明する方が利用者の方にとっては損失になるので、正直に申告しましょう。
6.利用目的がハッキリしている
利用目的が明確であると、なぜバーチャルオフィスを必要としているのか、どのような利用をするのかが伝わります。
実例ですが、審査を検討されている方からの相談の際に審査自体が断られたケースがあります。その方はこれまでに複数の事業をされており、事業を売却して落ち着いたので新たな事業を始めるためにバーチャルオフィスの申込を検討されていました。
断られた理由としては、その新たな事業が決まっていなかったからです。
会社設立をとりあえずしてから、登記をして事務手続きが落ち着いたら何を始めるか考えるという考えだったのですが、それでは信用をすることができません。
どのような事業を行うために必要なバーチャルオフィスなのかをしっかりと明確に伝えましょう。
なお、バーチャルオフィスでは事業の性質上断られる業種があります。また、活動目的が不明瞭な団体は断られる場合があります。
バーチャルオフィスの審査を通過しやすくするポイント5【マナー編】
バーチャルオフィスは利用者全員が利用する、共同のオフィスです。
最低限のマナーや最低限のモラルを持ち合わせていない方は、他の利用者の方の快適な使用を妨害することになるため、審査の段階で落とされる可能性が大いにあります。
コワーキングスペースでは、コミュニティ作りが重要視されているため、コミュニケーションを適切な距離感とマナーを保つことのできる能力は審査の上で大切にしているかもしれません。また、事業をおこなうということは、同時に責任を負うということでもあり、一人の社会人として共同の輪を乱さないために非常に大切なことです。
1. 敬語で話す
人として、初めて出会う相手に礼節を持って接することは当たり前です。
敬語じゃないからと言って審査に落ちるとなるわけではありませんが、バーチャルオフィスの審査を行う人は、ビジネス上の付き合いであり決して友達ではありません。
最低限のマナーを守ることはお互いに気持ちの良い関係を築くために必要なことです。
2. 丁寧な対応
丁寧な対応での印象はとても重要です。
審査時はもちろんのことですが、電話や、予約時の対応など、業務に関することにおいても有用になってきます。
機嫌を取ったり、媚び諂ったりする必要はありませんが、同僚やお客様と接するように誰に対しても対応すると良いでしょう。万が一、悪い態度でコミュニケーションがろくに取れない場合には、入会後にも同様にコミュニケーションが取れないと思われ審査に落ちることも考えられます。
審査して、この人大丈夫かな?と思わせることなく
この人なら大丈夫だなと思われるようにしていきましょう。
3.時間を守る
審査を行うにあたって、事前に日程が調整されます。
限られた時間の中で審査に必要な情報をヒアリングします。
ところが、時間に遅れてしまうと審査の時間が短くなってしまいます。
ヒアリングの時間で信用を受けることができなければ当然審査が通ることはありません。
事前に準備をしっかりと行った場合でも時間の都合ですべてを出し切れず担当者に伝わらなかったら元も子もありません。
また、これがバーチャルオフィスの審査ではなく、口座開設手続きや融資の申込や取引先へのプレゼンの場合だったらいかがでしょうか?
時間を守れない方は信用できないと思われてしまい、門前払いされることは容易に想像できますよね。
日本は特に「時間=信用できるかどうか」という公式が根本的に根付いている文化でもあります。時間を当たり前に守れることは、日本で事業を行うならば必要不可欠です。
4.ルールを守る
バーチャルオフィス運営者によってルールは全く異なります。
・対面審査を必須
・書類の郵送のみで審査受付
・審査不要
など様々です。
信用のおけるところの場合、対面審査でバーチャルオフィスの悪用を防止するための努力を行っています。必要書類も、一見すると煩わしいと思われることもあると思いますが、逆に不正利用者を遠ざけることにつながっています。
「審査の段階でこの書類まで出したくない。審査を通過したら出したい。」
「書類は後から郵送するから面談だけ済ませたい。」
という気持ちも理解はできますが、信用できる人かどうかを判断するという視点で考えてみて下さい。
その方が仮に審査を通過して利用を開始すると、また自分に都合の良いやり方をされてしまう可能性があります。すると運営に支障をきたすこととなる恐れが懸念されます。そのため審査に影響を及ぼします。
個人情報等の提供を拒む方も同様です。
個人情報の提供は外部に漏れる可能性があるからと言って個人情報の提供を拒むのも理解はできます。しかし、運営会社がどんなん厳重に個人情報の管理を行ったとしても、ご自身でオフィスを借りてご自身で責任をもって管理する以外に納得いただくことは不可能ですので満足いただけるサービスを提供できません。そのため、そのような方はバーチャルオフィスを利用することができません。
5.清潔感のある服装
スウェットやボロボロの服などで審査にお越しいただいた場合は印象が悪くなります。
スーツである必要はありませんが、普段ビジネスを行っているその人らしさが伝わる格好で訪問するのが良いと思います。
審査を行う事業者の選び方
これまで審査を通過しやすくするポイントをあげてきましたが、事業者を選ぶポイントもお伝えします。
バーチャルオフィスは個人事業主や法人が共有して利用します。
たくさんの方が利用する中で1社でも犯罪行為などを行ってしまうと、その住所が汚されてしまうということになります。事業者はもちろん困ってしまいます。対外的にも、犯罪を犯した会社と同じ住所であるということで、真っ当な利用者も「犯罪と関係しているのではないか?」と疑われることになります。
自身がもらった名刺を住所検索した時に「○○区○○ビル 詐欺」などの関連ワードが入っていたら相手に対して不安感を抱きませんか?
そのバーチャルオフィスに関する全ての人が被害を被らないようにするため、審査というものが多くのバーチャルオフィスで対策としても利用されています。
(多くと記載したのは審査不要のバーチャルオフィスもあるからです)
ただし、その審査方法はバラバラであり、容易にできてしまうケースもあるのです。
対面審査 | 提出物 | |
N社 | 必須 |
・申込用紙 ・利用約款確認事項 ・法人登記簿謄本 ・印鑑登録証明書 ・代表者印 ・事業内容がわかる資料(事業計画書、会社案内など。定款の業務内容のみは不可) ・身分証明書 ・口座振替に使用する口座情報及び届印 |
A社 | 不要 |
・身分証明書 ・代表者の住所記載の公共料金の明細 |
N社では、対面審査の実施や提出書類を厳重に求めることにより、不当な考えで利用される方への牽制を図っています。
チェックポイントのまとめ
・提出書類をちゃんと揃えている
・提出書類がわかりやすい
・提出書類の記入するべきところをしっかりと記入する
・WEB(HP)がある
・実績を見せる
・利用目的がハッキリしている
・敬語で話
・丁寧な対応
・時間を守る
・ルールを守る
・清潔感のある服装
バーチャルオフィスの審査はそれぞれバーチャルオフィスの運営者によって異なります。特に厳しく行っているところでは、実際に審査をされた利用者の方から提出書類の厳しさや細かさ、対面審査は初めてという意見が出ることもあります。
しかし、審査を厳しく行うには理由があります。悪徳業者からの悪用や不正利用を防ぎ利用者のビジネスの安全を守るためです。
だからこそ、利用者は、バーチャルオフィスのを利用するにあたって、自身が安全であることを証明するために事業内容を詳しく説明する必要があるし、書類もしっかりと提出しなければいけません。
例えば、”IT企業”でバーチャルオフィスを借りたいという方がいるとします。ひとえにI T
企業と言ってもどのような内容のI T企業なのかコンサルティングなのか開発なのかわかりません。分からない=信用を得ることができないにつながります。具体的な説明を丁寧に行うことで安全であることの確認ができ、審査の判断が下せます。
以上11項目はいかがでしたでしょうか?
バーチャルオフィスの入会申込をする方は起業前や移転など忙しく、1つの作業の時間を少しでも削りたいと思われているのは理解することができます。しかし、そんな中でも丁寧に真摯に審査に向き合う方はきっと審査を通過しやすくなるでしょう。事業を行う上でどれほど住所が大切かを理解されている方であればあるほど、バーチャルオフィスはより安全性の高いところを選ぶべきです。
ただし、どうしてもバーチャルオフィスの入会をお断りしないといけない方も、該当する方に非はないのですが、法律面やオペレーションの都合上お断りする事例もございます。
では、どのような場合の方だと入会を断られるのでしょうか?
どうしても入会することができないケース
多くの場合バーチャルオフィス・シェアオフィスは入会にあたって審査を行っており、審査を無事通過された方のみが入会可能となっています。
ただ、審査を行う上で、書類や人柄、業務内容などに問題なくても入会を断られてしまうケースがあります。
利用しようと思っているバーチャルオフィスに、すでに契約している方と社名や屋号が被ったり、酷似していたりする場合です。
ここには、法的な問題、そして運営会社のオペレーション上の問題と2つの理由があります。
まずは、法的な問題です。法的問題としては、同一の住所には同じ社名である法人の登記できないというものがあります。法律的に登記ができないため、バーチャルオフィスのサービスを提供することができません。
もう一つの運営会社のオペレーション上の理由ですが、もし仮に法律的に問題ない場合でも断られることになります。例えば、「株式会社ABCコンサルティング」、「ABCコンサルティング株式会社」、そして個人事業主としての「ABCコンサルティング」というのは法律的には同じ住所で活動することはできます。ですが、この3つの会社はバーチャルオフィスの運営側が区別することが難しいため、オペレーションが正しく行えません。オペレーションの中でも特に郵便物の受け取りが行うことができません。送り主が利用者の法人格の位置を100%正しく記載してくれるとは言えません。郵便物が届いた際に、同じ社名や屋号が複数あると、どなた宛の郵便物なのかが判別できない可能性があります。もしも、大切な郵便物を違う契約者の方に誤って送付してしまったとしたら、契約者様の事業上大きな損失を与えることに直接つながるかもしれません。そのため、断ることになります。
上記のように同じ社名や屋号が同じバーチャルオフィスに存在することができないため、途中で新しく法人化する場合や社名変更する場合などは事前にその社名が使用できるか確認する必要があります。特に個人事業主の屋号とかぶってしまっても法務局は、一切そのことについては教えてくれない(そもそも把握していない)ことを十分注意しなくてはなりません。
バーチャルオフィスは価格だけで決めていいのか?
バーチャルオフィスの事業の歴史は短いといえども、最近では世間にも浸透し、一般的にも知られるようになってきました。今では、「東京 バーチャルオフィス」で検索すると、様々な運営会社のバーチャルオフィスが見つかります。
利用する方のニーズに合わせて種類も様々で価格帯もとても広くなってきています。
また、サービス提供者が次々に出現してきたことにより、それぞれの独自の強みを持つサービスの差別化を考えるに至っており、年々多様化しています。
事業を行う上で、固定費用という観点だけで見ると、バーチャルオフィスの利用料金は安いにこしたことはありません。また、そのような利用者の方のニーズが一定数以上あったために激安のバーチャルオフィスというサービスも登場したのだと思います。
しかし、ビジネスを行う上で非常に重要な「住所」を、単に価格の安さだけで選ぶべきではないでしょう。
安さには安いなりの理由が必ずと言っていいほど付きまとってきます。バーチャルオフィスという事業場の属性柄を考えてみましょう。例えば「利用している方々がたくさんいるから値段を安くできる」という話であれば、その言葉が意味することは何でしょうか?
それは、「それほど多くの人々が自分と同じ住所で会社を登記している」ということにほかなりません。
それがダメだというお話ではなく、そのような点も存在することを認識したうえで自分自身の事業に必要な状況やニーズをしっかりと照らし合わせた住所選びが必要である、ということです。
では、他にはどのようなことに気をつけてバーチャルオフィスを選ぶ視点にすれば良いのでしょうか?
そのバーチャルオフィスの住所は汚れていないか?
これは上記でも軽く触れましたが本当に大切なことです。
バーチャルオフィスは、事業を行う上で重要な「住所」を借りるサービスです。
何度も言いますが、利用したその住所は、そのバーチャルオフィスサービスに入会している全ての法人が共有する形で利用しているということです。例えその中の1社でも犯罪行為などを行ってしまうと、その住所はその1社のために汚されてしまうということになります。
クライアントの感じるイメージが悪くなることは言うまでもありませんが、見込み客に対しても犯罪をした会社と同じ住所、ましてや同じフロアなどの場合は特に、自分の会社も犯罪と関係しているのではないか?と疑われかねません。これはビジネス上の大きなダメージです。
「自分の周りではそんな話は聞いたことがない」
そのような方も多くいらっしゃると思います。しかし、現在の実際問題としてバーチャルオフィスでの登記によってなかなか銀行口座の開設ができないケースなどが散見されることを考えてみましょう。これは過去に、バーチャルオフィスを利用した犯罪というのが存在したことを表す事実で、こればかりは倫理観に頼るほかないというケースが大半です。
話をわかりやすいように身の回りの物事で考えてみましょう。
共用施設などがある集合住宅やマンションで考えてみると分かりやすいでしょう。
エレベーターの壁や階段、その他の共用施設に意図的に傷や落書きがある場合を一度はご覧になったことがあるかと思います。このように、
人間は必ずしも合理的に正しくすべての行動が律されているわけではありません。
これと同じことがバーチャルオフィスでも考えられるのです。
バーチャルオフィスを利用する場合、どんなに利用者自身が注意をしていても他の人の利己的な自分勝手によって、不利益を被ってしまう場合があります。そのリスクを少しでも軽減させるためにも、バーチャルオフィスの住所が、どのような人たちに使われているのか、どのように守られているか、といった観点においても可能な限りのチェックを経てサービス利用に至るのが望ましいでしょう。
もちろん安さも大切です。しかし、劇的に安いところはその分利用している人が多く、そのようなトラブルに巻き込まれるリスクが上がるということは最低限理解した上で契約をしなければなりません。
他にも審査体制上気をつけておくべきバーチャルオフィスの特徴もご紹介いたします。
審査体制がこういうバーチャルオフィスには注意
上記からも理解していただいた通り、審査体制がしっかりしているバーチャルオフィスを選ぶということは、自分の会社の住所が汚されてしまわないようにするためには必要なことなのです。
そのため、以下のような審査大勢のバーチャルオフィスには注意が必要です。
・必要書類を提出すれば無条件で契約が完了してしまう
・代表者以外の人でも契約ができる
・すべての必要書類をオンラインで提出できてしまう
・運営会社と一度も対面せずに契約が完了してしまう
(決してどのバーチャルオフィスの運営者も犯罪行為を助長したいと思って運営しているわけではありません。)
犯罪に利用するために使いやすいバーチャルオフィスがあるのは事実です。犯罪目的でバーチャルオフィスを利用するような人々がどのようなことを考えて利用するのかを考えてみましょう。何かが明るみに出た際に捜査の手が自分自身に届くことを回避するために利用したいと考えています。逆を考えれば、審査の過程上において事細かい質問などをされて完全に個人を特定することが容易な状態になるバーチャルオフィスを利用することがないと言えます。
自分自身の大切な会社を守るために、契約までのプロセスが少し煩わしいくらいのバーチャルオフィスの方が、自分の会社の住所を守るという観点からは好ましいといえます。ただし、そのような理由で利用をするつもりがない一般のお客様にとっては多少煩わしく感じるポイントであることは間違いないでしょう。
一方で、前述の共有施設の話のように、一般的利用に関しての意識はしっかりとしていても「共有」であるがゆえに気をつけておかないと、悪意がない形であっても多数存在するのが現実社会でして、そのような人々を審査段階で判断ができるように事細かい審査が行われているバーチャルオフィスは信頼がおけると判断して間違いありません。
バーチャルオフィスを利用するべき人
バーチャルオフィスはどういう人が利用するべき人なのでしょうか?
バーチャルオフィスを利用するのに向いている方、利用した方が良いと考えられる方をご紹介していきます。
自宅やクライアント先で作業することが多い方
物理的な作業スペースは自宅やクライアント先に確保しているので必要ない。しかし、その場所に法人登記ができない方、住所の見栄えに気を使いたい方にとってバーチャルオフィスは最適です。
自宅で登記することが不可能な方(マンション住まいの方)
マンション住まいの方で規約上法人登記ができない場合は、バーチャルオフィスを利用するべきです。規約違反が発覚した場合、登記移転を行う必要があります。その時には、余分な出費を強いられることになります。最悪の場合、賃貸契約解除ということにもなりかねません。その場合は、物理的な移転コストも莫大になります。無駄な費用をかけることなく、事業のブランドイメージを守るためにも、ルール違反をして登記するということは絶対に避けるべきです。
東京都中心部の住所が欲しい方
また、これからビジネスを大きくしていきたいという人にとっては東京の中心部以外の住所はローカル感が出てしまいブランディング的に不利になることがあります。例えばWEB制作会社などの場合、発注自体は全国からもらうことが可能だと思います。しかし、地方の会社に別地方の会社が発注するということは、よほどの独自性がない限り難しいでしょう。沖縄の人が北海道に行って打ち合わせをするということはほとんどないと思います。しかし、東京に住所を持っていることによって、相手方が東京に出てきて打ち合わせをするということは十分に考えられます。こういうことを見越してバーチャルオフィスを利用し、東京の住所を手に入れるというのは事業を拡大するための大きなメリットになります。
プライバシーを確保したい方(特に女性)
女性が一人で起業する場合、プライバシーの確保というのは大きな問題になります。自宅で登記をしてしまうと公然と住所を公開することになります。ストーカーなどの被害に遭ったり、嫌がらせを受けたりすることがあるかもしれません。こういったトラブルを回避するための方法として、バーチャルオフィスを利用するという方法があります。公開する住所をバーチャルオフィスにすることで、自宅の場所を特定されるリスクをさげ、一定のプライバシーを確保することができるようになります。
いかがでしたか?バーチャルオフィスは一部のデメリットを除けば、起業のハードルをぐっと下げ、事業拡大にも大きなメリットとなることもあります。利用を妨げるものがなければ、資金のまだ少ない起業時にはバーチャルオフィスを使わない手はないと思います。起業する際はぜひバーチャルオフィスの利用を検討してみてください。
法人登記の際に気をつけておいた方が良いポイント
最近では、バーチャルオフィスやシェアオフィスを利用して、法人登記を行う人が増加してきています。しかし、一度も投棄したことがない人にとっては、どのような手順で法人登記を行えば良いのか分からない方が多いと思いますので、今回はその方法を解説していきたいと思います。ここでは、単に法人登記のための手続き論を述べるだけでなく、バーチャルオフィスを利用した法人登記の場合にはどのような点に気をつけなくてはならないのかを交えて解説していきたいと思います。
ここでの紹介はあくまで一例であり、バーチャルオフィスによって異なることがございますのであらかじめご了承ください。
また、関係省庁の情報は東京のものになります。
バーチャルオフィスの契約する
まずは、バーチャルオフィスの契約をします。バーチャルオフィスは住所を貸し出すサービスになります。住所を利用する前にサービスの利用契約を結ぶ必要があります。
よくある間違いの例として、法人として利用するので、法人が先に設立されてある必要があると思ってしまい、先に法人登記を行ってしまうケースがあります。
バーチャルオフィスは、引越しをして住民票を登録する場合を考えてみると理解がしやすいと思います。
住民票を置くためには、賃貸契約を結び、その物件に住む権利を先に得る必要があります。
法人の場合もそれと同様です。住所を利用する場合には、最初に個人で契約を結んだ後に法人を設立し、その後法人の契約に切り替えるというプロセスを踏みます。
もし仮に先に登記を行ってしまった場合、バーチャルオフィスの運営側の望む形で登記をしていない可能性があり、登記先の住所に郵便物が届かないなどの場合があり、最悪の場合登記の変更を行わなければならない場合があるので十分な注意が必要です。
バーチャルオフィスを契約する際に気をつけること
同じ名称がないか先に確認をしておくこと
これは先ほどお伝えした通り、同一の場所に同一の法人を登録することが法律上行えない点、また類似する社名の場合オペレーション上の問題により、同じ名称を同じバーチャルオフィスでは利用することができません。
契約時にバーチャルオフィスの運営側が伝えてくれれば良いですが、その告知がないバーチャルオフィスもあるので注意が必要です。もしも、告知がなく気づかずに契約し、投棄してしまってからだと、移転登記など必要のないコストをかけることになってしまうため、注意が必要です。
借りる住所について調べる
これも先述してお伝えしましたが、実際に借りることになる住所をしっかりと確認してください。その住所を検索して住所が汚れていないかを確認することはとても重要です。もしマイナスな情報や過去に犯罪があった可能性のある場合、同じ住所を使うあなたの法人も同じくマイナスのイメージを持たれかねません。利用者の不利益につながるような情報が出るバーチャルオフィスで契約をすることは見送ったほうが良いでしょう。住所が汚れていると法人口座の開設にもマイナス要素として働きます。
必ず見学に行く
バーチャルオフィスの中には、一度も実際に訪れることがないままに契約ができるところも存在はしていますが、必ずみにいくことをおすすめします。少なくとも本社を置く場合には、会社の責任は全て経営者にあることを理解している人であれば、見学もせずに本社の場所を決めるということはあり得ないとは思いますが、住所をおいておる場所は必ず確認しましょう。事業の活動が始まってしまえば、あまりバーチャルオフィスを訪れてなにかを行うということはありませんが、それでも自身の登記簿上の住所、名刺に書いている住所がどのような場所にどのような風貌で存在するのかを自身の目で確認を行うべきです。実際に一度は訪れることで、来客者がどのような気持ちで来訪するのかをイメージすることができます。業者の対応はよいかなど、実際に行ってみて感じることはとても重要です。
定款を作成する
バーチャルオフィスとの契約を結び、使用する住所が決まると次にするのは法人の設立作業です。初めにすることは、定款の作成です。
定款作成のためには、下記の項目について記載をする必要があります。
1.商号(法人名)
2.目的
3.本店の所在地
4.公告
5.発行可能株式総数
6.株式の譲渡制限
7.取締役の員数
8.取締役の任期
9.事業年度
10.設立に際して出資される財産の価額
11.設立後の資本金の額
12.最初の事業年度
13.設立時の役員
14.発起人の氏名、住所等
定款の記載内容を決めるときに気をつけること
項目を記載する際には、気をつけるべきポイントがあります。しっかり調べたり、専門家の方に相談したりする必要があります。項目ごとに気をつけるべき注意点をお伝えします。
商号(法人名)
こちらは先述した通り、法律上、また、バーチャルオフィスの運営側のオペレーション上、同一の住所に同一の名前の称号を用いることができません。商号を決めるときには、事前に商号が被っていないかバーチャルオフィス側との確認をしっかりを行いましょう。
目的
許認可が必要な業種の場合には、事業目的を正しく記載する必要があります。また、将来的に行う可能性のある事業がある場合には、その時点では行っていなくても合わせて記載した方が良いです。開業をした当初考えていたビジネスモデルも、業務を行っていく中で活動が変化し、業務内容が変化することはよくあります。よって、事業の変化に変化があった場合にも耐えられるように、あらかじめ事業の目的を幅広く設定しておきましょう。
本店の所在地
本店所在地の記載は「本店の所在する独立の最小行政区画」まで大丈夫です。バーチャルオフィスを使って登記をする場合「当会社は、本店を東京都千代田区に置く」としておくことをおすすめします。この場合、当社を解約して住所を変更する場合に同じ千代田区内であれば定款の変更はしなくて済みます。細かい住所を設定されても良いですが、バーチャルオフィスから移転をするときに、移転登記だけでなく定款の変更も必要になってしまいます。
事業年度
決算月を何月にするのかを決めます。決算をいつにするのかについては様々な観点がありますが、一番得をする方法は、消費税の免税期間を一番長く取れるように1期目をできるだけ長く設定することです。売り上げにかかる消費税を税務署に収める必要がないというメリットは、起業したばかりの人にとっては大きなメリットになります。
公証役場で定款を認証してもらう
どの公証役場に提出するべきか
定款認証を提出すべき公証役場は「会社の住所(本店所在地)と同一の都道府県にある公証役場」です。つまり、東京で法人を設立しようとする場合には、東京都内であればどこの公証役場でもよいということになります。千代田区で法人を設立しようとする場合でもわざわざ千代田区にいって書類を提出する必要はなく、お家の近くにある公的役場でよいということになります。ただし、登記に関しては管轄の法務局に行く必要があるので、その点はご注意ください。
認証方法
定款の認証方法には、2種類あります。1つ目が通称認証、2つ目は電子認証になります。この2つの違いですが、電子認証では印紙代が不必要になるため、印紙代の4万円を払う必要がなく費用的にはお得になります。しかし、電子承認には専用の機会が必要になります。そのため、専門家以外の方が行うにはハードルが高く難しいものがあります。したがって、自分で認証を受けるためには、通常の認証を受ける必要があります。ただし、4万円以内で専門家の方が代行しておこなってくれるケースも多くあるので、調べてみて自分に適したほうを選ぶようにしましょう。
ここまでの作業は、バーチャルオフィスの契約と同時に平行して行ったり、先に書類の製作をしてからバーチャルオフィスの契約をしたりしても大丈夫です。ただ、一点注意しなければいけないことは、バーチャルオフィスとの契約前に住所等を使わないことです。ただし、定款の本店所在地をバーチャルオフィスの住所にする場合には、定款の認証を受ける前にバーチャルオフィスとの契約を事前に完了している必要があるのでご注意ください。
登記に必要な書類を準備する
法人登記を行うには、以下の書類が必要となります。ただし、法人の形態や、現物出資の有無などで必要なものが異なってくるので、実際に設立をするときには、専門家などの人に相談をして、必要な書類を確認する必要があります。
1.登記申請書
2.登録免許税分の収入印紙を貼り付けたA4用紙
3.定款
4.発起人の決定書
5.取締役の就任承諾書
6.代表取締役の就任承諾書
7.監査役の就任承諾書
8.取締役の印鑑証明書
9.資本金の払込を証明する書類
10.印鑑届出書
11.登記すべきことを保存したCD-RかFD
登記に申請書を作成する際に気をつけること
階数やオフィスの名称がある場合はできるだけ入れる
登記を行うには、番地までの記載でよいため、ビル名などは外して行うことができます。そのため、バーチャルオフィスを利用していることがばれないように、ビル名や階数、オフィス名を外して登記する方がいます。ですが、これを行ってしまうと、事業に支障が出ることがあります。ビル名・階数がないために郵便物が届かないことがあります。また、階数やビル名が書いてないことによって、ほかのフロアに郵便物が誤送されてしまったり、オペレーションミスによりきちんと郵便物が届かなかったりすることがあります。先述した通り、郵便物は業務を行う上で非常に大切です。ものによっては、業務上非常に大きな損益を生み出すこともあるため、住所を正確に明記し、業務をスムーズに行うことが第一です。特に、バーチャルオフィスは多くの法人が登記しているため、大量の郵便物が届きます。そのため、郵便局も仕分けを行う中でミスをしたりする場合もあります。特に税務局から郵便物が送られてくる時期が、集中することがあり、その分ミスが増える傾向にあります。作業ミスの被害を避けるために、できる限り詳しく住所の登記を行うことをおすすめします。公的な書類などの誤発想を防ぐためにも住所の登記には注意をしましょう。
本社を置くなら千代田区、中央区、文京区がお得!?
皆様は本店を移すときに移転登記が必要になることをご存じでしょうか?
本社をどこに置くかという問題は、様々な視点により決定する必要がありますが、その中でも、費用の部分をしっかりと理解しておくことも非常に重要です。将来、本店を移転させる場合、移転費用が必要になります。
移転登記にかかる費用は、関係する法務局により30,000円かかります。つまり、移動する法務局の管轄が異なれば、移動前と移動先の法務局にそれぞれ30,000円ずつ、計60,000円の移転費用を要することになります。
分かりやすく例をあげると、もともと港区にあった本店の住所を渋谷区に移す場合、港区の法務局に30,000円、渋谷区の法務局に30,000円の計60,000円が必要になりますが、同じ港区内の移動であれば30,000円の移転費用だけで済むということです。
東京の住所で登記を考えている場合、東京の法務局は、千代田区、中央区、文京区のビジネスによく使われる大きな3つの区を管轄しています。そのため、千代田区から中央区に住所を移す場合や、千代田区から中央区に住所を場合でもかかる費用は30,000で済むことになります。ほかの区を管轄する法務局に比べると管轄区をまたぐ可能性が低くなるため、移転費用を削減することができおすすめです。
法務局に必要書類を提出する
皆さんは必要書類をどこに提出するべきかご存じですか?
必要書類の提出場所は本社所在地を管轄する法務局に提出する必要があります。千代田区に本社を置こうと思っている場合、港出張所や渋谷出張所に提出することはできず、東京法務局に必ず提出しなくてはなりません。
法務局に書類を提出する際に気をつけること
設立日は法務局に必要書類を提出した日が設立日になります。設立日を何か思入れのある日(創業者の誕生日や記念日など)にするのは節目節目を大切にするために良いことです。ですが、法務局は土日祝は休みになりますので、特別な日がその人被ると設立日を変更しなくてはいけないことを注意しなくてはいけません。
バーチャルオフィスに登記簿謄本を提出する
バーチャルオフィスは契約直後は個人としての契約になっているので、法人登記後は速やかに法人契約に切り替える必要があります。どのような社名での法人登記を行ったかが確認できない場合には郵便物の受け取りができない場合があります。特に法人登記後には法人ナンバーなどの重要な郵便物が届くため、これを受け取ることができないと問題になります。どのような社名で法人登記をしたかは確実に報告しましょう。
最後に
皆様いかがだったでしょうか?今回は、バーチャルオフィスは、まだバーチャルオフィスを使ったことのない人や、これからバーチャルオフィスを使おうとしている人に向けて、法人登記のあるバーチャルオフィスについてまとめてみました。
法人登記するにあたっての共通する気を付けたほうが良い重要ポイントがたくさんあったと思います。
住所を借りるということの意味を理解することと、利用する上での責任、犯罪に巻き込まれないようにすることは、自身の事業を守るうえで非常に大切です。また、利用するにあたって、何が自身の事業を最適化する上で重要になるサービスなのかをきちんと整理し、時にはバーチャルオフィスの運営者と相談を行うことも必要になってくるでしょう。
これからバーチャルオフィスを借りようと思っている人にこの記事が少しでも参考になれば幸いです。